2010年7月19日月曜日

Pastebot Mimicレビュー

MacとiPhoneの両ユーザーには欠かせないアプリであろう、TAPBOTSリリースのPasetebotというアプリがあります。機能はMacとiPhoneのクリップボードを同期するといった、ユーティリティ系なんですが、これがめちゃくちゃに便利。一度使うと手放せない。お互いのテキストと画像のやりとりを爆速でやってくれます。Mac、iPhoneユーザーにはお馴染みアプリなので、紹介はもう十分でしょう。



私はMac歴1ヶ月ほどなので最近になってこの味を占めたんですが、慣れるに連れて「なんでこんなに便利なものがWindowsには無いんだろう」と次第にWindowsに不満を感じてました。「Pastebotのリリース日は2009/12/14でまだ生後半年くらいだし、しょうがないのかなー」なんて思っていたんですが、ついにWindows版Pastebot、その名も「Pastebot Mimic」が誕生しました!旧Mac版も同時公開されているので、MacユーザーだけどPastebotが使えない人にも朗報です。(リリース自体はtwitterでいろんな方々から教えて頂きました。ありがとうございます。)このソフトはTAPBOTS社のものではなく、@micutilさんが公開してくれたものでして公式ではないのですが、これが本当に神がかっているので、今回紹介させていただきます。



使い方についてはmicutilさんの公式how to動画が非常に分かりやすいので、ソチラを見られたほうがいいと思います。情弱な私が右往左往しているところに神の手を差し伸べてくれたmicutilさん、本当に感謝です。






大体は動画を見れば分かるんですが、私もはしゃぎたいのでテキストベースでご紹介。



導入



まず環境の確認。Mac版Pastebotと同様に、iPhoneとWindowsが同一ネットワークにあることが条件です。家庭で使われている方は大抵そうなっているでしょうが、私はちょとした理由で分けていたため導入段階で軽くつまずいたので、一応要確認。



次に導入。WindowsにPastebot Mimicをインストール。動作にBonjour for WindowsQuickTimeが必要なので、ない場合はこちらも。BonjourはUDPポートの5353を使うそうなので、一応開放しました。必要作業かどうかは定かでないので、これから導入される方は試してみてください。(結果教えていただけると幸いです。)



これで準備万端、あとはiPhoneでPastebotをインストール、起動して同期するだけです。Pastebot Mimicを起動して「Pastebot Syncをミミックする」にしてから、iPhoneのPastebotで設定→同期→新規追加で表示される4桁の数字を入力。同期完了です。



使い方




  • Phone(Pastebot)→Windows(Mimic)




  • iPhoneでテキストもしくは写真を適当に選んでコピーします。Pastebotの機能は「iPhoneのクリップボードを引用する」なので、一度にどちらかのみとなります。画像の複数コピーはカメラロールからすれば手間が省けます。コピーしたら早速Pastebotを起動。するとPastebotとMimicが同期してiPhoneのクリップボードをWindowsに転送!このまさにMac版Pastebotの挙動に感激しまくりました。一度Pastebotに溜め込んだクリップは長押しでMimicに転送してくれるので、また転送したくなっても困りません。(Pastebotのメニューにある「Macにペースト」は動きません。長押しの操作でないと送れません。)さらにPastebot内でグループ化したクリップもグループのまま転送してくれるので、一度に複数のデータを同期できます。



    と、ここまでは基本的にMacのPastebotとほぼ同じ。私がさらに感動したのは、次項です。




  • Windows(Mimic)→iPhone (Pastebot)




  • MacのPastebotはタスクバー(Windows用語で申し訳ないです。Macのあれ、なんて言うんですかね?)に常駐して同期を通知するだけですが、MimicはiPhoneのPastebotベースなクライアントがあるため、一味追加されます。









    もうみたまんまですね、MimicはMacのPastebotではなく、iPhoneのPastebotを真似ているのが分かります。なので、Windowsのクリップボードも履歴やグループを持つことができます。これなら過去に送ったデータの使い回しも簡単。Pastebot独自のグループ管理もそのまま引っ張ってこれる上に、Mimicでグループを作って転送することもできるので、iPhoneでもWindowsでも大活躍することは間違いありません。単純なクリップボード拡張機能ならWindowsにはたくさんありますが、iPhone(Pastebot)と同期できるだけでトップクラスの有用性を誇ります。



    GUIは基本的にはiPhoneと同じですが、実はここが私が最も悩んだところでもあり、micutilさんのお手を煩わせたところなので、しっかりご紹介します。



    といっても動作はたったひとつで、MimicからPastebotに送るには任意のファイルを長押し、それだけ。この長押しがMac歴一ヶ月の頭の固い私は思いつかなかった…たしかにMac使ってると長押しとかスワイプって動作は自然とできるんですが、Windowsのマウスを持つとどうしてもクリックしまくってしまうのがWindowsユーザーというもの、深夜にも関わらずmicutilさんに教えて頂いたときは「おおっ」と叫びましたw ちなみにスワイプするとiPhone同様に削除できます。



    さて、ここまででも十分に神ソフトなんですが、ここからがMimicの本領です。ちょっとした展開機能として、Mimic本体からテキストはgoogle検索、画像はローカル保存ができます。これがどちらも便利、Pastebot本来のイメージというか、カユイとこに手が届く感じがたまりません。特に画像保存は優秀で、iPhoneのカメラで撮った写真なら拡張子と圧縮サイズが指定できます。残念ながらexifは飛んじゃいますが、これはiPhoneのクリップボードとPastebotの対応も必要なので、Mimic単体では無理というところ。さらにさらに便利なのが、explorerからテキストファイルや画像ファイルをMimicにD&DするとPastebotに転送してくれます。もう本当に至れり尽くせりです。テキストの文字コードは当然UTF-8でないといけないので、S-JISなどの場合は書き換えましょう。



    ただし、当然ですが完璧ではありません。MimicでもMacのPastebot同様にiPhoneのPastebotで長押しするとテキストエディタやペイントソフトに直接張り付けられるんですが、これがいまいち安定しません。テキストは大体上手くいくんですが、画像になるとたまーに張り付けられなかったりします。私がよく使うソフトでもあるevernoteとMS Officeでいまいち安定しないのがちょっと歯痒かったり。Macではしっかり使える分、目立ってしまう感じです。画像編集ソフト(標準ペイント、Paint.net、GIMPで調査)では確実に貼りつけられたので、まずそっちに貼りつけてコピーする(ペースト&コピーって変な感じ…)か、Mimicで一度ローカル保存すれば一応問題ないです。しかし、前者はMimicで一度コピーしてしまうためiPhoneのPastebotと無駄な同期をとる上に、他ソフトが常駐必須です。後者は単純に操作が面倒。



    また、同期速度がMacと比べて遅い。といっても、遅いのは最初にPastebotとMimicが同期する速度であって、一度同期してしまえば後のクリップボードのやり取りはノーストレスです。しかし、その最初の同期に15〜30秒はかかるので、流石にちとダレる…これは私のWindowsの環境も要因なので一概でないでしょうから、使われた人はレポしていただけると幸いです。



    あとは操作面でしょうか。とりあえず気をつけるべきものを言うと、Mimicで画像をグループ化した後にグループ内の画像の名前を変えると、グループの画像すべての情報が無くなります。まあ、変えなきゃ無くなりはしないんですが、一応深刻な部類の問題かと思うので、操作されるときはうっかりやらないように気をつけてください。



    まだリリースから一週間経ってないソフトなのでレビューすること自体おかしいんですが、感想を言えばあと一歩で製品版ってイメージです。



    とまあ、最後は辛口になってましたが、私の本音は「こんな神ソフトを提供してくださって本当にありがとうございます」の一心。TAPBOTS社の神アプリを基に拡張されたこのソフトは間違いなく神ソフト、できればMacでも使いたいです。Windowsユーザーの方は一考の価値あり、というかぜひ実装されて快適さを満喫していただければと思います。
    最後にもう一度、micutilさん、本当にありがとうございます。


    2010年7月8日木曜日

    6月レビュー

    前の5月レビューにならって、6月編です。一か月じゃそれほど違いはありませんが、先日買ったmacでの見え方も晒してみます。大まかな変更は、mac向けに少しだけ弄ったことです。windowsとmacで使い分けている人の参考になればと思います。


    では早速ノートブックの一覧。撮った時間がズレちゃったので相関合ってないです。あとちょっとinboxが汚れっぱなしだけど気にしない。





    前にも書きましたが、windowsとmacで一番苦労するのは文字コードの違い。片方の文字コードに合わせてノートブックやタグの名前を決めると、もう片方のサイドカラムの並び順と合わず、バラバラになってしまいます。数字だけで並び順を管理している分にはそれほど問題ないんですが、awesome noteと同期している場合は、必ず[aNote] ***といった専用のノートブックが作られてしまいます。私はwindows版では文字コードを利用して"_"を使ってセパレータノートブックを作っていましたが、これも今回の問題にひっかかります。原因は"["や"_"といった、記号の文字コード順です。windowsに使われるShift-JISは記号は数字より優先されるのに対し、macに使われるunicodeは数字が記号より優先されます。このためevernoteをwindowsとmacで併用すると、機能以前の差が色々と生じてきます。(なにもevernoteに限った話ではなく、多分両OSで展開しているソフトウェアでは常に付きまとう問題だと思います。)

    この問題をなんとか払いたかったので、文字コード表とにらめっこしながら考えたんですが、どうもうまい方法が思いつかなかったので、断念しました。OSレベルで挙動が違うんですからもうしょうがないです、見た目が合わないくらいで大きな問題ではないので、心半ばですが潔く諦めます。(といいつつも、いい方法を教えていただける方はどうかお願いします。)windowsで整理する時に使うセパレータノートブックですが、私はノートの整理はwindowsで行うので一応残しました。macで見ると違和感はあるけど操作の邪魔にはならないのでもういいかな、と。一度妥協すると一気に適当になっちゃいました。


    あとmac専用のノートブックを作ろうかと思っていたんですが、基本的に取説や登録情報などmacでのみ読み返すであろうものは「700 review」のノートブックにまとめてあるので必要なかったです。少し工夫した点は、macで簡単に探せるように混合ビューの名前順でうまい具合に並ぶようにしたこと。こうすれば少しは目的のノートに手っ取り早く辿りつけるかな、と思ってやってみました。まだ活躍の場がないので効果は分かりませんが、reviewのノートブック内ならタグ選択や検索を使わなくても十分ではあるので、macビューア化としては少しは期待できると思います。他のノートブックでもタイトルのみの表示になるので、その辺りで弊害はあるかもしれませんから、ひとまずこれで使ってみて様子をみるつもりです。





    ※スクリーンショットは300 softwareノートブックです。本当は700 reviewノートブックを晒したかったんですが、個人情報満載過ぎてとても晒せないので、とりあえずこれでイメージだけでも掴んでいただければと思います。


    タグ周りは親タグで大まかな分類で括ったり、似通ったタグを統一したくらいでほとんど変わっていないので、今回はお流れとします。大まかな変更とか新しい試みをしたら、また晒してみようと思います。私はあまりタグを検索として使ってなくて、今自分がどんなものに興味があるのかなど、自分を分析する感覚で使ってます。なのでそういう意味では大きな変化はあるんですが、私の興味の結果を晒しても面白くもないし私も小っ恥ずかしいです・・・本当はある期間でどのタグがどれだけ増えたとかを統計してくれるタグマネージャーがあればうれしいんですけど、どう考えても私くらいしか使う人はいないでしょうから、実装はありえないでしょうね。



    晒せる範囲のレビューがあまりにあっさり終わってしまい、これだけじゃちょっと寂しいので、ここ最近の耳寄りevernote情報を少し展開。あくまで私が「おっ、これは!」と思ったものなので、全人が唸るものではないですが、情報として見てみてください。



    airpenMINIで書いたものをevernoteに送ってくれるというもの。USB経由なので手間はスキャナで取り込むのと大差無いですが、スキャナが無い人やスケジュール帳などスキャナで取り込めない紙に書いたものでも取り込めるのがメリット。デメリットは筆跡を辿って記憶するので消しゴムが使えないことでしょうか。使い方次第では便利かも。


    ・synkuro.@suito1942 Egretlistの現バージョンは、-tag:*とかコマンドでしか入力できない保存された検索とは特に相性悪いです。よほどノート数多くない限りは、それらを外せば軽くなるかと。


    私がegretlistが重い重いとボヤいていたところにsynkuroさんが原因を教えてくださいまして、試してみるとこれが劇的に軽くなりました。私はegretlistでタスクを管理してるので、ノート数は100以上ありますが、その環境でも十分に軽くなったと実感しました。synkuroさん、本当にありがとうございます。ただ、ワイルドカードを使った保存検索はevernoteではかなり便利に使えるので、そのうちegretlistでも対応してもらえると嬉しいです。使えなくていいので、影響を受けなくなってくれればありがたいです。




    htmlのフォーマットを用意してevernoteをより便利なノートにしようというもの。色々試されている方がいて、すごく勉強になります。そのうちcssにも対応してくれればさらに便利になってくれるでしょう。ちょっと似たような点では、私は裏紙など決まったサイズのメモは、基本的に全部同じフォーマットで書くんですが、スキャンすることが前提なら横書きがおすすめです。大抵の人のPCモニタは横長なので、あとから読みなおすときもスクロールせずに一目で全体が見れるメリットがあります。縦書きは後から書き足しやすかったり他の資料とまとめて提出するときに向きが揃いやすい点がメリット。未だに私は紙ベースの手書きメモの癖が抜けないので、人に配ったり再編集する場合は縦書き、個人的なメモや一回で完結させるノートは横書きのルールが染み付いちゃってます。



    ここ最近は私含めて新たにevernoteを使われている人がかなり増えてます。情報交換も盛んになってますし、evernote関連の記事でも新鮮ばかりですごく楽しいです。またいろんな企業がevernoteと連携や提携を組んで、どんどん世の中にevernoteが浸透していってます。evernoteがどんなユーザーにでも馴染む万能サービスになる日もそう遠くないでしょう。これからの発展に目が離せないですね。